人気俳優の横浜流星さんがボクシングを題材にした映画『春に散る』でボクサー役を演じるため、役作りでボクシングのトレーニングに励み、プロテストに合格した。
このニュースを目にした瞬間、「おっ、すごいな!」と感心した人も多かったのではないでしょうか。
一方で、「ボクシングのプロテストっていったいどんなもの?」と聞かれて詳しく答えられる人はきっと少ない。
そこで、知られざるボクシングのプロテスト事情を紹介します(ネットから引用)
日本でプロボクサーになるためには日本プロボクシング協会加盟のジムに所属し、日本ボクシングコミッション(以下、JBC)からボクサーライセンスを取得しなければならない。
そのために設けられているのがプロテストだ。
受験資格は満16歳から満34歳までの男女(試合出場は17歳から)。
ただしアマチュアボクシングで5勝以上している場合、審査の上でC級テストを免除されることもあり、必ずしも全員がプロテストを受ける訳ではない
そもそも、プロテストは日本独自のもので他の国にはない、ということをご存じだろうか。
JBCでプロテストを15年以上担当している福地勇治レフェリーが、その理由を教えてくれた。
「他の国はアマチュアで経験を積んだ選手がプロになりますけど、日本の場合、ボクシング経験のまったくない人がプロを目指す、プロになるという文化が昔からあります。
ただ腕っ節が強いというだけでリングに上がったらボクシングじゃない。
危険を伴うスポーツでもありますから、そこは一つハードルを設けるという意味でテストがあります」
ボクサーライセンスはA級、B級、C級とあり、A級は8回戦(8ラウンド)以上、B級は6回戦、C級は4回戦の試合に出場できる。
B級テスト受験資格には「アマチュアで全日本ランキング10位以内相当の実績を有する者」と規定されている。
ようはアマチュアでならした選手、あるいは那須川天心(帝拳)のようにキックボクシングの実績でもB級受験が認められるケースがある。
アマチュアで秀でた成績を残した選手に、最初からA級ライセンスが認められる特例もある(たとえば井上尚弥がそうだ)。
C級ボクサーは4回戦で4勝するとB級に、B級ボクサーは6回戦で2勝するとA級に昇格できる。
プロテストの内容は、筆記試験、計量、ドクターチェック、実技試験(2ラウンドのスパーリング)の4つ。
スパーリングではJBCがテスト用に特注した通常よりも柔らかい14オンス・グローブを使用する(試合ではスーパーライト級以下が8オンス、ウェルター級以上が10オンスを使う)。
筆記試験は反則や急所を問い、実技試験ではパンチがしっかり打てるか、反則をしないか、ディフェンスができるか、4回戦を戦うスタミナがあるか・・・などなど基本的な項目をチェックする。
スパーリングは勝ち負けを競わない。
たとえダウンしても基本ができていれば合格だ。
福地レフェリーは「たとえばクリーンヒットをもらったら、同じパンチをもらわないことが大事。
ようは考えてやっているか。
そういうところを見ます」と説明する。
押さえておきたいのは、このテストが「落とすためのテストではない」ということだ。
つまりは一定のレベルさえクリアしていれば合格できる。
また、何度落ちても受験し直すことができるため、「なぜ落ちたかを聞かれたら、必ず答えられるようにしています」と福地レフェリー。
ぜひ再トライして合格してほしい、というメッセージである。
プロボクサーになる過程がわかってもらえたと思います。
明日はプロテストの合格率についてアップしたいと思います!!