いよいよ最終章です。
前回は寒さと体温の関係をお伝えしました。
体温を上げるために熱エネルギーが必要です。
体温を上げるのにエネルギーが使われるなら、下げるときにも使われるんじゃないの?
そもそも暑いほうが燃えやすそうじゃん。
この気持ちはよく分かります。ぼくも昔はそう思っていました。
人間は体温を上げる時と下げるときの方法が根本的に違うということを知ればその疑問は解決されます。
人間は暑い時、体にどんな変化が起きますか?
あたりまえだですが汗をかきますよね。
汗というのは当然水分であり、これが蒸発するときに熱を奪っていきます。
汗が乾くとひんやりと冷たいのは、蒸発した時に熱そのものを奪っていくからです。
これはつまり人の体温を下げるのに必要なのは水分であり、脂肪は全く関係ないということです。そもそも役割が違うんですね。
暑いと体重が落ちるのは水分が抜けるからその分軽くなるのであって、別に脂肪は燃えません。
体が引き締まったと感じたのなら、相当水分が抜けたんだと思います。
ざっくりとした説明ですが、冬の方が痩せる理由がわかってもらえましたでしょうか?
アザラシがあんなにでっぷりとした体をしているのは、寒さで死なないように脂肪をタップリと蓄えているからなんですね。なくなると死にますからね。
人間で言えば、軍隊の携帯食料。これがわかりやすい。
兵隊ってのは当然走り回ったり重い装備を担いでいたりと、活動量・・・消費エネルギーが多いので持ち歩く携帯食料は当然全部高カロリーです。
アメリカの携帯食料は3500kcal前後。凄い高カロリーですね。
ですがノルウェーやアラスカの携帯食料は7000kcalを余裕で超えます。倍以上です。
これは当然寒いほうがエネルギーが持っていかれるから、こんなカロリーにせざるを得ないということです。
普通のものを食べたいたら、あっという間に熱エネルギーが枯渇して死んでしまいます。
最初っからこれを説明すればよかったでしょうか・・・
と、寒いほうが痩せる理由を書いてきたわけですが、暑くても痩せる理由は存在します。
次回はオマケで暑くても痩せる理由をお伝えしますね。